岡山の愛生園で暮らしていた 「 その人 」 は、七蔵さん。
国の誤ったハンセン病隔離政策により、そこでの生活を
余儀なくされた。 年齢は 80 を超えていたと記憶する。
国立ハンセン病療養所。
「 療養 」 とは名ばかりのこの施設は、全国に約 13 施設。
大半の方がこの療養所で一生を過ごす。
施設内では、婚姻が許され夫婦生活を営むことができた。
が、結婚はできても子を授かることは許されず、堕胎や断種を
拒否する権利はなかった。
極々弱いウイルスが原因のハンセン病。 簡単なワクチンで
完治するにもかかわらず常軌を逸した政策だった。
諸外国はいち早く法整備に乗り出していたのにもかかわらず。
国内では 1996 年、ようやく国が過ちを認め 「 らい予防法 」 を
廃止。 90 年目にしてやっと法改正されたが、非隔離者の暗く長い
歳月を思うと、筆舌に尽くしがたい。
その後、故郷での再出発を願い戻っても、そこでのコミュニティーは
とうに断ち切られ偏見も残り、悲願であった 「 普通 」 の暮らしを
諦め、施設に戻られた方も多いと聞いた。
( 画像お借り致しました )
つづく。
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